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終活の悩み・相続の疑問をまるっと解決!読んであんしん終活セミナー~第4回:遺言書の種類と”残念な”遺言書の特徴~

目安時間 9分

これまで3回にわたり、終活に関連する事柄について紹介しました。

第1回:遺言・相続を取り巻く環境

第2回:終活って何をすればいい?

第3回:相続の基礎知識

今回は遺言書の種類についてみたあとで、残念な遺言書の特徴とそうならないための対策について説明しようと思います。

①遺言書の種類

種類について確認する前に、遺言書作成の条件についてざっとおさらい。

有効な遺言を残すためには、①15歳以上であり、かつ、②意思能力を有している、といった条件を満たす必要があります。

認知症になる前に作成しないとせっかくの遺言が無効になってしまう可能性がかなり高いため、思い立ったらすぐ書く!ことが本当に大切です。

このようなお声をよく耳にするのですが、こういったご心配は無用です。

遺言書を作成した後に財産を消費した場合、その財産に関連する遺言内容を撤回したことになるだけなので問題なく使用することができます

また、書いた後で気が変わった場合には作成した遺言を撤回することも新たに書き直すことも可能なので、遺言を作成しても生前の財産に影響が出ることは一切ございません!

それでは、遺言書の種類について解説いたしますね。

(1)自筆証書遺言

遺言書・遺書のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

これは読んで字のごとく、手書きで作成する遺言書のことです。

メリットとデメリットについてみていきましょう。

メリット

⚾内容や存在を秘密にできる

⇒家族や友人に知られることなく作成できる点でメリットといえますが、「亡くなった後に発見されない可能性もある」点ではデメリットにもなりかねません。

⚾いつでも・どこでも作成できる

⇒ペンと紙と印鑑さえあれば、いつでも・どこでも作成可能です!

デメリット

⚾財産目録以外はすべて手書きの必要

⇒全文を手書きで間違いなく作成することは想像以上に負担が大きい作業です。

⚾保管の問題(紛失や偽造など)

⇒せっかく作成しても、どこに片づけたか忘れてしまったり、知らぬうちに相続人に改変されたりするリスクがあります。

この点については、自筆証書遺言保管制度(自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度)を用いればリスクを減らすことができますが、この制度を用いても内容については保証されないためゼロリスクにはなりません。

⚾検認手続き(家庭裁判所)が必要

⇒遺言の効力を発生させるためには家庭裁判所で検認手続きを経る必要があるため、相続人にとっては手間になってしまいます。

なお、自筆証書遺言保管制度を利用すれば検認は不要です。

⚾厳格な要件あり

法的要件を満たしていないと遺言が無効になってしまいます。

(2)公正証書遺言

メリット

⚾検認手続きが不要

自筆証書遺言と違って家庭裁判所での検認手続きが不要なため、遺産分割をスムーズに進めることができます

⚾紛失の心配がない

⇒公正証書遺言は公証役場で作成したうえ、原本は役場に保管されます。

このため、仮に遺言者が遺言の正本や謄本を紛失したとしても原本が保管されているため紛失の恐れがありません

⚾自筆の必要なし

手書きがしんどい場合はもちろん、押印さえできなくても作成可能です。

公証役場から公証人を派遣してもらうことも可能なため、要介護の方などでも認知症などでない限りは大丈夫です!

⚾遺言内容を確実に実現できる

公証人は法律のプロ集団であるため、遺志を確実に反映させる遺言を作成することができます

デメリット

⚾自筆遺言に比べて費用と時間が掛かる

⇒財産額にもよりますが、作成するうえで少なくとも数万円の費用は発生します。

ただ、残された相続人の手間を考えると”かけるべき費用”といっても過言ではなさそうです。

また、公証役場に出向いて作成することから自筆証書遺言に比べると時間が掛かってしまいます。

⚾立会人(証人)が必要

⇒証人2名の立ち合いが必要ですが、うち一人は遺言作成に携わった行政書士などの先生にお願いし、もう一人は公証役場で手配してもらうことが一般的かと思います。

②残念な遺言書の特徴とその対策

遺言書を書く目的って何でしょうか?

書くことそれ自体ではなく、「自らの遺志を確実に実現させる」ことが目的なはずです。

にもかかわらず、専門家の立場から見れば「これはちょっと残念だな・・・」といったものが存在するのも事実・・・。

ということで、ここからは"残念な"遺言書の特徴とそうならないための対策について見ていこうと思います!

(1)遺言の執行に手間がかかる

せっかく遺言書を残してもその執行に手間がかかってしまっては、残された相続人たちを苦しめることになってしまいますよね?

こうならないためにも、「相続人の手間を省く」ためにできることは生前にやっておいた方がベターです。

手間がかかる例1:戸籍謄本を集めていない

遺言執行時には①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本②相続人の現在の戸籍謄本を収集する必要があります。

この収集作業に時間がかかるのですが、遺言作成時に可能な範囲で集めたうえで推定相続関係説明図を作成しておけば手間が大幅に省けます!

手間がかかる例2:遺言執行者が選任されていない

遺言執行者を選任していないと、銀行手続きで相続人全員の署名や押印を求められることに・・・

遺言書で遺言執行者を定めておけば、その方の署名と押印だけで手続きを進めることができます!

(2)想定外の事態を想定していない

「妻に相続させるつもりで遺言を残したのに妻が先に逝ってしまいました・・・」

考えるのはつらいですが、こういったことは相続においてはよくあることです。

しかし、妻が先に亡くなってしまうパターンを全く想定せずに遺言書を書いてしまっては、本来妻が相続するはずだった相続分について改めて協議をする必要が生じてしまいます

これを避けるためにも、想定外の事態についても可能な限り想定して事前に対策を打つようにしましょう。

(3)紛争の原因が隠れている

遺言書では、家族へのメッセージや遺言作成に込めた思いなどを自由に記載することができます(これを付言事項といいます)

以前説明した遺留分を侵害する相続人が生じてしまう場合など、「〇〇という理由で妻に全財産相続させることにした、わかってくれたらうれしい」みたいな内容を記載しておけば侵害された側も納得してくれる可能性が高まるもの。

いっぽう、「お前にはずっと迷惑をかけられた、私の財産は一切渡さない」などと不平不満を書き連ねてしまっては相続人を怒らせてしまい紛争に発展するリスクが高まってしまいます。

こういった面倒ごとを避けるためにも、紛争の原因を潜ませないようにしましょう。

さいごに

今回は遺言書の種類などについてみてきました。

詳細は次回触れるものの、遺言書を作成する場合には「自筆証書遺言」ではなく「公正証書遺言」を選択する方が間違いなく良いです。

せっかく作成するなら遺志を確実に反映させられるよう、公正証書遺言を利用して執行しやすい遺言書を作成しましょう。

次回は終活シリーズの最終回として、「遺言書の作成方法と遺言内容の確実な実現について」ご説明いたします!

今回もお読みいただきありがとうございました、次回もお楽しみに!