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終活の悩み・相続の疑問をまるっと解決!読んであんしん終活セミナー~第2回:終活って何をすればいい?~

目安時間 7分

第1回記事では遺言や相続を取り巻く環境についてデータを交えながら検討しました。

「家族仲がいいから」「大した財産がないから」といった考えのもとで終活に備えないことは高リスクであることがお分かりいただけたかと思います。

今回はこの続きとして、具体的にどのような終活を行えばいいのかを考えていきます。

備えておくべき終活の内容

終活の備えにおいては、「死後」だけでなく「認知症になったあと」のことも考えなければなりません。

このリスクも踏まえると、上記画像のとおり①遺言書の作成、②任意後見制度の活用、③「委任3兄弟」の活用、の3つは必ず押さえておく必要があります。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①遺言書の作成

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認知症になってしまったあとでは有効な遺言書を作成することが困難になってしまうため、元気なうちに確実な内容のものを作成しておくことが大切。

法定相続分での相続を考えている場合でも、その旨の遺言を残しておくことで遺族がもめる原因となる遺産分割協議を回避することができるため、相続方法にかかわらず遺言書は作成すべきです。

遺言の種類(自筆遺言証書・公正証書遺言)やこれらのメリットデメリットなど、具体的な部分については第5回(最終回)で詳しく見ていこうと思います。

②任意後見制度の活用

法定後見制度のことがすぐに浮かんだ方は終活にかなり詳しいですね。

おっしゃるとおり、後見制度には「任意」「法定」の2種類存在します。

どちらの制度でも、認知症などになり判断能力が低下したり欠いてしまったりした人を"後見人"と呼ばれる方がサポートするという構造に変わりありません。

これらの違いについて簡単にまとめた表が以下のものです。

いろいろ書いていますが、確実に押さえておきたいのは次の2点。

(1)後見人の選任方法

任意後見の場合、判断能力があるうちに信頼できる人を選んでおくことができます。

家庭裁判所が選任するため誰が選ばれるかわからない法定後見と違い、「この人に任せたい」といった方にお願いできるのは精神的に大きなメリットですね。

(2)後見人の職務範囲

判断能力の程度によって「後見」「補佐」「補助」に分かれる法定後見の場合、これら3つのどれに該当するかにより職務範囲が法で定められております。

補佐や補助の場合は必要なものを付け足したり不要なものを取り除いたりとある程度カスタマイズできるものの、職務範囲を柔軟に定めることはできません。

一方、任意後見の場合は契約書の中で職務範囲を自由に定めることができます

このため、「不動産の管理をお願いしたい」「金銭の管理をお願いしたい」などといったように、その範囲を自由に定めることができるわけです。

このように、任意後見を利用すれば信頼できる人に希望する範囲において後見をお願いすることができます

報酬の有無やその程度についても自由に定めることができるなど、任意後見には高いオーダーメイド性が存在するのです。

素晴らしい制度であるものの、判断能力が衰えてしまってからの備えでは有効に発効できない可能性が高いのも事実。

このため、元気なうちに任意後見契約を締結しておくことがとてもとても大切です。

③「委任3兄弟」の活用

このように思うのも当然、「委任3兄弟」という言葉は私が勝手に造りました。

(1)見守り委任契約、(2)財産管理委任契約、(3)死後事務委任契約、これら3つをあわせて「委任3兄弟」と表現することにします。

それぞれの制度について簡単にまとめると以下のとおりです。

任意後見契約を締結しても、その効力が発生するまでの生活はサポートされません。

つまり、「誰も気が付かないうちに認知症になっていた」といった場合には後見が開始できないことに。

これでは契約を締結した意味がなくなってしまうため(1)見守り委任契約を利用することで判断能力の状況などを定期的に確認し、必要ならばすぐに任意後見をスタートできるにします。

また、「判断能力はまだあるけど足の調子が悪くて・・・」といったケースもよくあります。

このような場合には、(2)財産管理委任契約を利用することで預金の引き出しや日用品の買い出しなどを代理してもらうことで生活の質を保つことができます。

最後に締結を検討すべきなのが(3)死後事務委任契約。

特に"おひとりさま"と呼ばれる独居高齢者の場合、亡くなった後の身の回りの世話を頼める人がいないことがよくあります。

自治体が遺品整理などを代行してくれるわけでは基本的にはないため、有効に契約を締結できるうちに、死後の希望を盛り込んだ委任契約を結んでおくことが大切です。

各制度の具体的なスケジュール

終活への備えとして、①遺言書の作成、②任意後見制度の活用、③「委任3兄弟」の活用、の3つを見てきました。

これらのスケジュール感を簡単な図にしたものが以下のとおりです。

元気なうちに遺言書を作成したうえで任意後見・委任3兄弟の各契約を締結、認知症になるまでの生活リスクは見守り委任契約や財産管理委任契約で備える。

認知症になってしまった場合には任意後見の効力を発生させて信頼できる人に生活をサポートしてもらい、亡くなった後は死後事務委任契約や遺言の効力を発行させることで死後の希望を実現させる。

委任3兄弟たちを組み合わせることで、契約締結以降の生活に潜むリスクに切れ目なく対応できることがわかりますね。

さいごに

今回は終活の具体的な内容について確認しました。

遺言書については詳しい内容を見てこなかったのですが、これについてしっかりと理解するうえでは「相続」に関する知識が必要不可欠です。

そのため、「相続の基礎知識」について次回扱ったうえ、次々回から「遺言書」についてわかりやすく説明しようと思います。

今回もセミナーにご参加いただきありがとうございました、次回もよろしくお願いいたします!