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介護保険ってなに?介護サービスってどう使うの?これらの疑問を解決します~第2回:居宅サービス・施設サービス~

目安時間 13分

前回の復習

第1回では、介護保険制度の概要や介護サービス利用までの流れについてご紹介しました。

介護保険は第1号被保険者と第2号被保険者に分けられて原則65歳以上(=第1号被保険者)から介護サービスの利用が可能である点、要介護認定を受けるまでには申請や判定といったステップがありおおよそ1ヶ月程度かかる点などをご理解いただけたかと思います。

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ということで、今回は居宅サービスと施設サービスについて詳しく説明します。

居宅サービス

居宅サービスとは、自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービス全般のことを表します。

(1)訪問サービス、(2)通所サービス、(3)短期入所サービス、(4)その他、の4つに分けることができ、それぞれについていくつかのサービスがぶら下がっています。

お爺さんを介護している女性のイラスト | かわいいフリー素材集 ...

(1)訪問サービス

読んで字の如くですが、利用者本人の自宅を訪問して利用するサービスのことです。

訪問介護をはじめ5種類のサービスがあるため、それぞれについてご紹介します。

①訪問介護(ホームヘルプ)【要介護1〜5】

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるようになることを目標に、ホームヘルパーと呼ばれる訪問介護員が利用者の自宅を訪問し、身体介護(食事・排泄・更衣・入浴など)や生活援助(掃除・洗濯・買い物・調理など)を行います。

あくまで日常生活の補助が目的であるため、非日常的なことや本人に関わらない家事を頼むことはできません。

なお、2012年の法改正により、痰の吸引や経管栄養をホームヘルパーが実施することが認められるようになりました。

②訪問入浴介護【要介護1〜5】

こちらも利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるようになることを目標に、看護職員1名と介護職員2名が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽によって入浴の介護を行います。

状態が安定している場合など、主治医の意見を確認した上で介護職員のみで実施することもあります。

専用の簡易浴槽を用いるため、寝たきりの人などでも身体に大きな負担をかけることなく入浴することが可能です。

入浴が困難な場合には部分浴や清拭(蒸しタオルなどで身体を拭いて清潔にすること)を選択できます。

要介護3程度までの方の場合、訪問入浴介護ではなく訪問介護や訪問看護を利用して自宅風呂の入浴介助をお願いすることもできるため、入浴=訪問入浴介護ではない点には注意が必要です。

③訪問看護【要介護1〜5】

上記と同じ目標のもと、利用者の心身機能の維持回復などを目的として、看護師や准看護師、保健師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行います。

リハビリを中心とした看護業務の一環として、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが訪問することもあります。

医師の指示に基づく医療措置や病状観察、血圧等の確認はもちろん、医療機器の管理や在宅リハビリ、身体介護、家族への介護指導など、幅広いサービスの提供がなされるのが訪問看護の特徴です。

①で紹介した訪問介護とよく似ていますが、医療行為を行える点・生活援助ができない点で異なり、「病気や障害があるけれども自宅で暮らしたい」といった方によく利用されます。

④訪問リハビリ【要介護1〜5】

①〜③と同じ目標のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリテーションを行うのが訪問リハビリです。

後ほどご紹介する通所サービスの1つである通所リハビリの利用が厳しい方を対象としており、病状が安定しているもののリハビリの必要があると医師が認めた場合に実施されます。

機能回復に向けた体操やマッサージをはじめ、日常生活動作や発語の訓練など、理学療法士などの専門家のもとで20分以上行われます。

⑤居宅療養管理指導【要介護1〜5】

医師、歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士などが利用者の自宅を訪問し、療養上の管理・指導などを行うサービスであり、原則として通院が困難な利用者のみを対象としています。

医師の指示のもとで実施されるものの、直接的な治療は行われない点が特徴として挙げられます。

要介護度別に定められた支給限度基準額の枠外とされているため、他のサービスの利用によって枠に余裕がない方でも利用することができます。

(2)通所サービス

介護施設のイラスト

訪問サービスとは異なり、利用者自身が通所することで受けられるサービスのことを指します。

公共交通機関等を利用するわけではなく、送迎車を利用して通所します(街中でよく見かけるかと思います)

①通所介護(デイサービス)【要介護1〜5】

訪問サービスと同じく、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができることを目標に、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目指して実施される介護サービスです。

食事や入浴などの日常生活上の支援はもちろん、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上などのサービスを日帰りでするのが特徴。

レクリエーションなどを定期的に実施することによって和気藹々とした雰囲気を楽しめる施設も多いですね。

提供されるサービスは施設によって大きく異なるため、各施設をしっかり比較検討し、利用者本人に合ったサービスを受けることが大切です。

なお、施設での食事やおやつ、おむつなどにかかる費用については自己負担となる点は頭に入れておきましょう。

②通所リハビリ(デイケア)【要介護1〜5】

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、老人保健施設や病院、診療所などといった施設に利用者本人が通うことで、リハビリをはじめとした各種サービスの提供を受けることができます。

医師によってリハビリが必要と認められた人が対象であり、リハビリテーション実施計画に基づき、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門家の指導のもとでリハビリが行われる点が大きな特徴です。

上記の特徴以外の部分はデイサービスとよく似ており、食事代などが自己負担である点なども同じです。

(3)短期入所サービス

介護のイラスト「ベッドに寝るおばあさん」 | かわいいフリー ...

期間を定めて短期間だけ施設に入所するサービスのことを短期入所サービスと呼びます。

短期間というだけあり、31日以上連続して利用することはできません。

①短期入所生活介護(ショートステイ)【要介護1〜5】

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や病院・診療所、ショートステイ専用の高齢者施設などに短期間入所し、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などの提供を受けます。

自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復はもちろん、家族の介護の負担軽減などもその目的として挙げられます。

②短期入所療養介護(医療型ショートステイ)【要介護1〜5】

医療の必要性が高い方を対象としたサービスです。

この他の点は①のショートステイとほぼ同様と考えて大丈夫です。

(4)その他

特定施設入居者生活介護、特定福祉用具販売、福祉用具貸与の3つがあります。

①特定施設入居者生活介護【要介護1〜5】

指定を受けた有料老人ホームなどの特定施設を入居者の自宅とみなしたうえ、利用者が可能な限り自立した日常生活を送れることを目標に、特定施設で受ける生活介護の費用を介護保険の対象とするサービスのことを指します。

②特定福祉用具販売【要介護1〜5】

排泄や入浴などで用いる福祉用品はその性質上レンタルになじみませんよね?

このため、以下5品目については都道府県の指定事業者から購入することによって後日購入費の一部払戻しを受けることができ、これを特定福祉用具販売と呼びます。

⚾️腰掛け便座

⚾️特殊尿器

⚾️入浴補助用具

⚾️簡易浴槽

⚾️移動用リフトの吊り具

③福祉用具貸与【要支援1〜5】

都道府県または市町村が指定した事業者から福祉用具をレンタルすることで、少ない費用負担で利用することができるサービスです。

要介護度によって対象の用具が異なってくるので、事前に確認することが大切です。

施設サービス

デイサービスの送迎車のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

居宅サービスだけでもお腹いっぱいといった感じですが、ここからは施設サービスについて解説します。

施設サービスとは介護保険を利用して施設に入所できるサービスのことを指し、対象の施設には介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(2024年3月末で廃止)、介護医療院の4種類ございます。

①介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム「特養」)【要介護1〜5】

可能な限り在宅復帰できることを念頭に置き、常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供する施設です。

要支援1・2の方は入所できず、要介護1・2の方はやむを得ない理由を除いて利用できないことになっています。

在宅介護が困難となった方を対象としているのですが、入所待ちの人数がとても多く、入りたくとも入れないというのが現状です。

②介護老人保健施設(老健)【要介護1〜5】

可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、在宅復帰を目指している方の入所を受け入れ、リハビリテーションや必要な医療、介護などを提供します。

元々は医療保険の対象施設でしたが、介護保険導入に伴い、介護保険の対象施設に移行されました。

在宅復帰を目的にしていることから、日常生活の介護だけではなく、日常動作のリハビリテーションもしっかり取り扱ってもらえる点が大きな特徴です。

このリハビリはだらだら続けるのではなく、入所時に作成したリハビリ計画をもとに実行したうえで3ヶ月ごとに進捗状況を鑑みて継続要否が判断されます。

③介護療養型医療施設(療養病床)【要介護1〜5】

入所者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、長期にわたって療養が必要な方の入所を受け入れ、機能訓練や必要な医療、介護などを提供する施設です。

医療保険が適用される医療療養型病院との棲み分けができていない、療養病床には長期入所者が多く予算が逼迫している、といった声を受け、2024年3月末をもって療養病床は廃止されることが決定しました。

④介護医療院【要介護1〜5】

2018年に新設された「介護医療院」は、医療療養型病院の抽選から外れてしまった方や介護施設では対応が難しい医療ケアを望む方の希望を叶えることができる施設として利用されています。

まとめ

要介護1〜5の方を対象とした各種サービスをみてきました。

今回ご紹介したサービスは全て当道府県が指定・監督を行なっている点についても、最後に触れておこうと思います。

次回は、要支援1・2の方を対象とした介護予防サービスについてご紹介しようと思います。

とはいっても、居宅サービスに「介護予防」の4文字が加わっただけで内容は大きく変わらないため、今回の復習も兼ねてお読みいただければと思います!

本日もお読みいただきありがとうございました!