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介護保険ってなに?介護サービスってどう使うの?行政書士が詳しく説明します~第1回:介護保険の概要・介護サービス利用の流れ~

目安時間 8分

はじめに

 

「介護」は日常でもよく聞く言葉ではありますが、どのようなサービスを提供しているかと聞かれると意外と答えられないもの。

「親の介護についてそろそろ考えないといけないけど・・・もうちょっと先でもいいかな・・・」

「そもそもどこに相談すればいいのかよくわからない・・・」

こういった悩みや不安を抱えている方のため、行政書士である戸島が介護保険や介護サービスに関する事項についてなるべくわかりやすく解説しようと思います!

介護をめぐる現況

介護サービスについて具体的に見ていく前に、介護にかかわる日本の現況を簡単にご紹介。

いきなりですが質問です。

日本の総人口における65歳以上の高齢者の割合はおよそ何割でしょうか?

総務省統計局によると、2022年9月15日現在で29.1%とのことで、総人口の約3割が65歳以上ということになります。

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になってしまうと推計されていることを考慮すると、終活だけではなく、介護への備えも早めに行っておく必要がありそうです。

なお、終活への備えについてはこちらからご確認いただければと思います(当事務所は終活業務をメインを取り扱っております)

介護保険の仕組み

介護保険の仕組みを簡単に表したものが以下のイラストです。

介護が必要となった場合に実費全額の支払いが必要だと、利用者の負担があまりにも重くなってしまいますよね。

この課題に対応すべく、医療・年金・雇用・労災に続く第5の保険として2000年にスタートしたのが介護保険です。

40歳以上の国民は保険料を支払うことによって、原則として65歳から保険の恩恵に与ることが可能。

介護が必要な場合、費用の原則1割(所得によって2割・3割の場合もあります)を支払えばそのサービスを受けることができるわけです。

なお、40歳~64歳の被保険者のことを第2号被保険者、65歳以上のことを第1号被保険者と呼びます。

第2号被保険者は基本的には保険料の支払のみで介護が必要になった場合でも介護サービスを利用することができませんが、老化に伴う病気(特定疾病といい、16種類定められています)に起因して要介護・要支援状態になった場合には利用できます。

介護サービス利用までの流れ

利用までの流れを説明するにあたり、サービスの種類について簡単に解説します。

なお、各種サービスの詳細については後ほど確認するためここではさくっとみていただければ大丈夫です!

(引用元:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0521-3c_0014.pdf)

それでは、上記サービスを利用するまでの各ステップを詳しく見ていきましょう!

STEP1 申請

本人またはご家族が市区町村の窓口に出向き、以下の書類・資料を提出します。

⚾要介護認定申請書(要支援認定申請書)

⚾介護保険や医療保険の被保険者証

※自治体によって身分証明書が必要な場合もあります

申請書のフォーマットは自治体によって異なりますが、豊中市の場合は以下のとおりです。

(引用元:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/kurashi/moushikomi/soshiki/moushikomi15/kaigo_shinsei.files/shinseisyo.pdf)

申請書に記載した内容をもとにSTEP2の訪問調査を行うとともに、STEP3の一次判定とSTEP4の二次判定の参考とするための主治医意見書の作成を行います。

なお、申請については地域包括センターによる代行も可能なため、介護に関する不安も含めて一度相談してみるとよいでしょう。

STEP2 訪問調査

STEP1の申請が終わると日程調整の電話がありますので、都合のいい日を調査員に伝えましょう。

訪問調査では、調査員が本人の生活場所(入院中や入所中の場合は病院や施設など)を訪問し、家族や親族立会いのもとで介護の必要度に関する調査を行います。

ここでは、本人等にヒアリングした内容をもとに全国一律の74項目について調査員が該当する選択肢を選んで認定調査票に記載します。

1時間程度で終了する調査ですが、要介護度・要支援度を決定するうえでの重要な資料となるため、聞かれた内容について正確に答えることが重要です。

STEP3 一次判定

要介護度を決定するうえで、2度にわたる判定があります。

このうち、1回目になされる判定のことを一次判定と呼びます。

この判定では、STEP2で作成された認定調査票およびSTEP1で指定された主治医が作成した意見書の結果をもとに、全国共通のコンピューターソフトによって「要介護認定等基準時間」が算出されます。

これをもとに、「要支援1」「要支援2、要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」の判定がなされます。

なお、ここで算出された時間は介護の必要性をはかる一つの基準であり、実際に受けるサービスの時間とは連動しない点については注意が必要です。

STEP4 二次判定

コンピューターによってなされる一次判定の結果は、保健・医療・福祉の学識経験者によって構成される介護認定審査会で審議されます。

この審議のことを二次判定といい、認定調査票の特記事項や主治医意見書の内容をもとに一次判定の結果が適切であったかどうかを判断します。

不適切であった場合に判定結果が変更される場合があることはもちろん、一次判定で「要支援2・要介護1」の判定がなされた場合にはどちらに該当するかの振り分けも行います。

この判定によって、要支援1・2、要介護1~5(詳細は以下のとおり)のうち、どの区分に該当するかが決定されます。

STEP5 認定結果の通知

STEP1から4を経て決定された認定結果は、市区町村を経由して申請者に通知されます。

支援や介護が必要と認定された場合には、申請時に提出した介護保険被保険者証に要介護度が有効期間や限度額とともに記載されます。

有効期間について、本人の状態がどの程度安定しているかによるものの、初回認定では6か月が原則とされています。

この期間は更新手続き(満了日の60日前から可能)によって再認定を受けることで延長されるため、空白期間が生じぬよう、余裕をもって手続きを行うことが大切です。

おわりに

第1回では現況を簡単に確認したうえで介護保険の仕組みと介護サービス利用の流れについて確認しました。

要介護状態と認定された場合、ケアプラン(要支援の場合は介護予防ケアプラン)の作成やサービス提供事業者等との契約などに進んでいくわけです。

次回は要介護状態の方が利用できる居宅サービスや施設サービスについてご紹介しますね。

今回もお読みいただきありがとうございました。